2004年に入って見た映画が増えてきましたので、別ページにしました。2003年のページ。

29 August, 2004

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8月

The Village

監督第一作目がThe Sixth SenseだったM Night Shyamalanの最新作。もちろん彼のことだから、タネもシカケもあるのは確かなので、そのつもりで見ていました。つまり監督があえてこうであるよ、といっている事はぜんぶマユツバものである、という目でみてしまうのです。ということで最初の墓場の場面から疑惑の目を通して見ているので、3分の一か半分ぐらいでシカケの検討がついてしまいます。あとは私の推測が当たっているか当たっていないかの興味だけで見ることになってしまった。こういう映画の見方は邪道ですよね。もし当たっていたらうれしいのではなく、悲しいものです。結果は当たっていたので、かえってがっくりでした。もう少し深みのある、納得のいく筋にしてもらいたかったですね。それでも2002年の最低作であったSignsよりはマシな映画でした。しかしながら、Signsがトリックではなく、監督がマジメに異星人を描いていて、そこがまたびっくりだったにしては、この映画はトリックに気を取られすぎて映画としての出来は中途半端でした。見ていない人には全く何が何だか解らない文章になってしまいました。

70点 −  彼の脚本としてはStuart Littleが好きでした。監督の名前は忘れてもっと素直に見たら悪い映画ではないでしょう。

The Chronicles of Riddick

なんですかこれは?最初っから最後まで安っぽいアクションの連続。オリンピックの100メートル競走を2時間見させられたら退屈するに決まっています。制作費に大金をかけているのに、脚本には金はかけなかったようです。あまりに退屈で途中大活劇の最中ウトウトしてしまったこともあり、なにがなんだか解らなくなってしまった。最後のところがThe Last Samurai みたいで笑ってしまった。IMDを見たら105ミリオンもかけたそうですね!VinちゃんもまだXXXのほうがましだった。

20点 − Vinの腕の筋肉にちょっとだけ点数あげます。

The Bourne Supremacy

50点 − モスクワでのカーチェイスが長すぎてばかばかしい。あんなに赤の他人に迷惑をかけてはいけません。やはり私はMatt Damonはあまり好きではない。


I, Robot

前からSF小説、SF映画の大ファンですので、楽しみにしていた映画です。もちろんずいぶん前ですが、アシモフの小説は沢山読みました。このI, Robotも読んだとは思うのですが、はっきり覚えていません。しかし、この映画にも出てくるロボット三原則はよく覚えています。この映画の最大の見どころはやはりCGを使った画面でしょう。とくにソニーというロボットが非常によくできています。主演はウィル スミスなのですが、ロボットのほうがもっと印象に残ります。最初はただの機械のように出てきますが、だんだん怒り、ユーモア、恐れまで表してきて、人間より人間らしくなってきます。そのうち他のロボットと外見はほとんど同じなのに、観客にこの一台の機械にだけは愛情にも似た感情まで持たせます。アシモフの小説の一つ「裸の街」(だったかな)に出てきたロボット刑事を思い出しました。ロボットたちの外見の違いは目の色が微妙に違うというところです。ロボット、つまりCGはよくできているのに、人間のほうはちょっとおざなり。スミスはIndependence Dayのころはやせっぽちの若者でしたが、アリで鍛えて、この映画では逞しい筋肉を見せてくれます。彼の映画としては前のMen in Black 2作よりは上出来です。相手役のカルヴィンがちょっと弱いかな。最初は彼女もよく出来たロボットではないかと疑ってしまったほどです。映画は筋としては普通の探偵モノに近く、それも論理的にむりがあるようですが、まあ許しましょう。

85点 − 今年の映画としては上出来。ロボット役のAlan TudykはA Knight's Taleで出てきた赤毛大男なんですね。ちょっとびっくり。声だけの出演ですごくうまい。


Spiderman 2

Spidermanの続編。1の終わりはかなりウジウジが残り、その後どうなるのかとおもったら、2ではガールフレンドの件は好転したみたいです。相変わらず、ピーターはアクションヒーローにしては陰性で、最初のほうはダメダメぶりが強調されすぎて、観客まで落ち込んでしまう。そのうち悪役が出てきてアクションになると持ち直すのですが、悪役といっても元はいいひとという設定ですから、憎らしさが足りない。それにいくら超強力、伸縮自在、頭脳までもってる4本の触手があっても、いったい警察は何をしているのでしょう。ピストルで数打てば当たらないはずがないのに、ほとんどの画面ではポリスの影さえみえない。最後の対決もあんなんで悪役が死んでしまうとは信じられない。文句ばかり書きましたが、スパイダーマンがニュヨークの街を飛んでいく描写は前の1より一段とよく出来ていて、スリル満点。

80点 − これはやはり映画館で見でください。最後で彼の正体を知る人々が増えすぎて、3では収拾がつかなくなってしまうかも。

 

7月

Shrek 2

Shrek 1はかなり面白かったので、2も期待して見ました。結果は2のほうがよく出来てはいるのですが、1以上を期待すると、まあ同じぐらいかな、というところ。期待以上でも以下でもないのでしょう。ただしこれはあまりお子様向けではありません。たんににちょっとヒネタ御伽噺ではなく、大人には別の楽しみが散らばっています。1ではディズニーのマンガ映画のモジリが多くて笑わせられましたが、今回はハリウッドの有名な映画からの引用がおおく、元を知っていれば可笑しいけど、知らなければあっさり見てしまう、というもの。一番可笑しかったのは故郷の友人等が囚われたShrekを助けに来るところです。ここがMission Impossibleのモジリで大笑いでした。本物のIMはあまり好きではないので、こちらのほうがよく出来ていたと私は思います。お話そのものはちっとも意外性が無く、平凡です。やっぱりOgreより人間のほうが、ロバより駿馬のほうが上、しかし自分の本当の姿を見直すべき、というこの映画の中の哲学はあまりにありきたりでしょう。父親の王様になるのがJohn Cleeseですが、これは前回悪役だけどよかったJohn Lithgowのほうがスケールが大きかったですね。Shrekのマイク マイヤーズは案外さえず、ロバのマーフィーもうるさい。悪いことに日曜日の昼ということで、幼児がうろうろしていて落ち着いて見ていられませんでした。時間を考えるべきでした。

75点 − Shrekを救出するところで、友人たちがテレビ中継で彼の危地を知り、駆けつけるのですが、確か「どこか遠い、遠い国」ということで、ShrekとFiona は何日も何日もかかって砂漠の中、雪の中を行ったはずののに、友人等はあっというまに着いてしまうのはどうしてでしょうか。S1の中で好きだったドラゴンがあまり活躍しなかったので、ここで彼女を使えばよかったのに、と思いました。オマケには彼女が出てきますのでお見逃し無く。

 

Fahrenheit 9/11

はっきり言ってまったく面白くなかった。この映画は単に監督製作者のマイケルムーアのブッシュ大統領への憎しみでしかない。ムーアはもちろんブッシュの言うことなすことすべてに文句をいっている。前半のほとんどを費やしてブッシュがいかにまぬけで頭が悪いのかをいやというほどみせつけている。しかしこれほどやると、観客はある時点でムーアの憎悪を身に体感し、はっと気がつくにちがいない。「この人は過去にブッシュに個人的にイヤな目にあわされたに違いない。だから何から何までブッシュのやることは憎悪の対照になってしまう。こうなるとムーアの主張というのは感情からくるもので、そのなかに真実はあるのだろうか。」いったんムーアの映画の画面のすみをほじくると、もう際限なく彼の構成物はほころび、ボロボロこぼれ落ちてきてしまう。こうなるとある程度の真実もいろあせてしまい、逆効果もはなはだしくなってしまう。もちろん私はブッシュびいきでもなんでもないのですが、この映画の中での他の政治家などへの扱いにしても、ちょっとした人間的な身づくろいまで大げさに笑いの対象にするのは、ムーアの人間への冷たさが現れていてイヤミでしかない。とにかく個人的憎悪で記録映画(?)なんか作って欲しくないです。見に行って後悔した本当に数すくない映画の一つでした。彼の前作も好きとはいえないまでも同感できるところはあった。この映画を見てからはブッシュ嫌い、戦争反対などというとムーアに共感しているのかと誤解されるから、口をつぐむしかなくなってしまいました。私の中での嫌悪度は ムーア>ブッシュ ですね。この映画の題名はもしかしてブラッドベリの Fahrenheit 451から来ているのでしょうか。この小説の題材は活字文化への政治的憎悪が現実化した世界でした。もしそうだとすると、ブラッドベリが気のどくにさえなりました。

0点 − 世の中の素直なかたがたは絶対に見てはいけません。珍しくも新聞の映画評(ほとんどは最低)に賛成します。

6月

Connie And Carla

60点 − いつか思い出して書きます。

Harry Potter And The Prisoner Of Azkaban

実のところ、HPは少しあきました。やはりお子様向き、としかいえない。前2作とくらべると、山場もすくなく、やけに暗い。もちろん画面はとても凝っていて、美しくできているのですが、それだけではね。悪役もスケールが小さい。一番興味深かったのは、ちょっと個人的なことなのですが、最初の方に出てくる3階建てのバスです。1年ぐらい前のことですが、夜Cityを歩いていた時、GuildhallというCityの中心的建物の前にさしかかると、なんと3階建てのバスが2台広場に止まっていたのです。このときはHPにつかわれるバスとは知らなかったので、ちょっとびっくりしました。大きさは2階建てのバスにもう一階足したもので、暗かったし、現時離れして、面白い経験でした。そしてこの後、ローカル新聞に3階建てバスがHPに使われて、撮影場所はこの地区の通りが使われたという記事を読んだのです。それでこの映画では3階建てバスが疾走する場面を注意深く見たわけです。残念ながらバスの行く古い街の風景は私の知っている場所とはわからなかったのですが、この映画の中では一番私には面白い箇所でした。主役3人はとても成長しましたね。でもこの調子で2年に1作では現実の彼らの年が作中の人物より数段年とって行ってしまう。このままではこのシリーズもシリツボミでしょうか。

60点   −  ハリー役のラドクリフ君、なかなかハンサムな若者になってきましたね。

Japanese Story

オーストラリアに行った日本のビジネスマンが案内役の女性と恋をする、というお話。 非常にナゾの多い映画でした。映画評論家はどうしてこの映画にあんないい点をあげたか。とにかくつまらない。途中でえー!そんなばかな?という事件があるほかはあまりにも淡々といってしまい、最後にもう一山あるかと思ったらまたなにもない。ということで、見終わっていったいこのイライラをどうしてくれる。最近知ったいい言葉に「芸術はおもしろくなくてはいけない」というもがありました。この言葉に大賛成のわたしは、この映画はにはとてもじゃない、いい点はあげられません。ナゾをいくつかあげてみましょう。砂漠の夜、車の中ではなく外で寝るのはなぜ?どうしてこの男は最初あれほどまでに非協力的なのか。おおきなスーツケースのなかには着替えがはいってるはずなのに、なぜありったけ着ないのか。もう戻れないと彼女が言ってるのに、もどったのはなぜ?どうしてなんの準備もなく砂漠にいったのか?途中の事件の後、警察沙汰にならなかったのはなぜ?そのときどうしてケイタイで助けをよばなかったのか。数ヶ月前のLost in Translationも同じことで、外国人には日本人という存在そのものが面白いのでしょうか。それも彼らの頭の中にある存在が。

点数? − 30点かな?0点ではないのは、いっしょに行った人たちと後で大論争するタネを提供してくれたから。
        最大のナゾ ー この脚本を読んだ製作者はどうして金を出してこの映画を作ろうという気になったかということ。

 

The Cooler

そんなに大スターも出てこず、ちょっと地味目ではあるけれど、かなり面白かった。ラスベガスに勤めているさえない中年男のはなし。これがファーゴで忘れられない名演技を見せてくれた William H Macy で、あれ以来のはまり役でしょう。この人は本当に捨てられた犬みたいに情けない悲しい目をしています。伝染性の悪運の男で、カジノでバカ受けしている客のそばに寄るだけで、その客は運を逃がしてしまう、というもの。あと数日で契約も切れるというとき、カクテルウエイトレスと仲良くなってからは、その不運が幸運にかわってしまいます。彼を雇っていたボスは彼の悪運を呼び戻さなければ成らない。その上でもっと長居してもらいたい。ここら辺がちょっと込み入っていて映画の中盤ちょっとダレルのですが、最後に大笑いがあって、いい締めくくりです。

75点 - 面白かったけれど、こういう話はテレビでもいいかも。

 

Day After Tomorrow

せっかく大スペクタクルで画面はそうとうよく出来ていたのに、どうしてこれほど面白くない話になってしまうのだろう。悪役が文句をいっても仕方が無い「天候」、ということで、 ニューヨークに取り残された息子を助けに行く父親の話が中心なのですが、地球規模の悪役と比べると、あまりにお話が小さい。息子のためというのに、父親の友人数人がまきこまれるのはどしても解せないです。まあ最初の氷原に大きなヒビがあらわれるところとか、ハリウッドが大竜巻でコナゴナになるところ、ニューヨークの大津波など、見せ場はあるものの、これも文句はいろいろある映画でした。ただしテレビ向けではないですね。頭をカラッポにして、大災害だけ楽しみましょう。

70点 − いつもはあれほど厄介者にしているメキシコにアメリカ人が大挙して非難してもいいんでしょうか。追い返してしまえ。

 


5月

Troy

ブラッド ピットの主演の時代物スペクタクル。Last Samuraiを見た時は日本人として、ちょっと首をかしげるところがありましたが、Troyを見てギリシャ人はどう思うのでしょうか。あまりに昔のことなので、かれらも正しいかどうかわからない、というのが妥当かもしれない。単に娯楽大作としては適当にいいんじゃなでしょうか。ところが、どこか感情的には入れ込めないところがある。主人公のアキリースの性格が大人気ない、というのが原因でしょう。たしかにピットは40歳にしては若々しく、体もよくきたえてはいるけれど、その割りに10代の少年みたいに、事を対処する。一度トロイ側に返したはずのガールフレンドをまた探し回るところなど、その最たるもの。もう一つこの映画のさえないところはこの女優。なにかEastendersに出てくる女の子みたいと思うのは私だけではないはず。もう少しはっとするような魅力のある女優にしてほしかったです。戦争の原因になるヘレンは比べるとやはりきれいです。一番得しているのが去年ハルクで緑色の怪人にさせられたエリックバナでしょう。Troyのなかでは一番性格が納得できる人物です。物語の山場は戦闘の場面より、ピーターオトゥール扮するトロイ王が息子の遺体を返してくれとアキリースに頼むところかな。

80点 −まずまず楽しみました。この筋は思ったよりホメロスの原作に近いんですね。でも確かトロイ戦争は10年かかってるんではないかな。この映画の中ではせいぜい数週間で終わってしまってますが。

Band Education

少し前にTalk to herというなかなかの映画を作ったスペインの Almodovar監督の新作。期待していったら裏切られました。ホモの俳優が映画に出ようと努力する話ですが、だいたい話が小さい。それより私自身がこういう話に興味が無いのが面白くない原因だと思います。それでは見かけのイイ男が出てるなら目の保養になるのに、たいしたこと無い中途半端ハンサムさん。中年ハゲだったけど、Talk to herにでてきたアルゼンチンの男のほうがよっぽどイイ男でした。前作にくれべるとスケールが小さい。

60点 −  Almodovarのファンだけにお勧め。

Wonderland − 60点 いずれ書きます。

Van Helsing − 75点 いずれ書きます。

Secret Window ー 60点 いずれ書きます。

4月22日

Kill Bill II

Kill Bill Iがかなりよかったので期待していたのに、裏切られた。KBIでよかった所がすべてウラに出た。KBIではもう理屈抜きにアクションと画面のきれいさがよかったのに、KBIIではそれに理屈、理由を付けなければいけない。その理由がなんともつまらないものでがっくりした。アクションも中ほどの片目のダリル ハナとの決闘だけ。最後のビルとの対決は尻すぼみとしかいえない。それにビルそのものもしゃべりすぎでちっともかっこよくない。ビルが長々とスーパーマンとかの講釈をするところはTrue Romanceのクルストファー ウォーキンとデニス ホッパーの会話の画面を思いおこさせられますが、あれが傑作だったにしてはKBIIのこの画面はさえない。余計としかいえない。KBIの日本料理店(青葉屋でしたっけ?)の華麗さと比べるとアメリカの砂漠にあるトレイラーはなんともしょぼい。それでも前作を見た人は見なければいけないでしょうね。ここ10年ぐらいで出てきたほかの監督がほとんど2,3作目で馬脚を現してがっくりのほうが多いので、タランティーノにはもう少しがんばってほしいです。ガックリのきわみが Sixth SenseのNight Shyamalanです。彼のThe Signsはひどかった。

65点 − ダリルとの対決で観客一同が「ゲーッ!」というところがありました。ヒロインが生き埋めにされたところでどうして懐中電灯を使わなかったのかな。


4月12日

Shaun of the Dead

久しぶりに面白いイギリス映画でした。少し前に見たDawn of the Dead のもじりにはちがいありませんが、この映画は私のゾンビーへ長年の疑問に答えてくれました。疑問というのは、ゾンビーというのは怪物の中でも一番弱いのではないかな?というもの。@動作がのろい。A血の巡りが遅い、あるいは無いので賢くないB頭をやられるとすぐばったり。つまり殺しても死なない(?)という点を除けば弱点だらけではないか。もちろん生きてる人をかめばいずれはゾンビーになるので、減ることはないので、数は頼みにはなる。この映画の中では頭を目標とされたゾンビーが続々と死んでいきます。映画の背景がロンドン北部ということで、私の住んでいる地域に近いので、見慣れた風景ばかり。このごく日常的普通の風景に非現実的なゾンビーがうようよというところがおかしい。バスもイギリス人以外がこの映画を作ったならば2階建ての車掌がいて、後ろから乗る伝統的なものになるだろうが、ここではちゃんと小型の現代的一階建てのバスにどこにでもいるような乗客が乗っている。俳優はみなテレビでみたことがあるひとたちばかり。私はテレビドラマはほとんど見ないので、よく見る人にはもっと面白いかも。

85点 − それにしてもどうしてイギリス映画は安っぽいのかな。イギリスの日常生活を知らないとどうしておかしいのかピンとこないかもしれない。


4月10日

Monster

おいおい、これはなんじゃ。いったいどういうつもりでこんな映画をつくるんだい。7人もの男を殺したストリートフッカーの話。もうきたないし、悲しいし、いいとこない。たったひとつの興味はまただまされたけど、アカデミーをとったというセロンの演技。でももう美人女優が汚くなって、泣き叫べばアカデミーが取れる、という風潮はやめてほしい。これではオスカーは出来の悪い映画の宣伝でしかありえない。見たのを後悔した映画はひさしぶりでした。これじゃだれにもお勧めできない。反面教師にさえなれない。こんなバカな女は死んでしまえ。もう少しで出てしまおう、とさえ思い、画面がちょっと明るくなるとあと少しだろう、と時計を見る始末。セロンも今まで数回見たはずですが、全く印象にのこってない、というのが印象の女優。

10点 −  それでもやっとセロンの顔はおぼえましたよ。この間新聞にのってた彼女を、やせてゴージャスなドレスを着ていてもわかったからたいしたもの。

4月8日

50 First Date

Wedding singerで共演したアダムとドリューのコメディー。新聞によるとアダム=−3星、なので彼の映画の90%は最低点。でもいい加減にその先入観念はやめてほしですね。というのはこの映画はそれを忘れてみればかなりできのいい、むしろ感じのいい映画にできあがっている。100%ハッピーエンドに終わらないところもかえってうまい。しかしあの衝撃的ともいえるアダムの鋭角的乱暴さはかげを潜めている。そこがものたりないとはいえる。彼もいつまでたってもWaterboyのままではいられないので、新方向をさぐっているのかもしれない。

75点 − トレイラーで見るよりマトモな映画でした。しかしアダムの映画はマトモじゃいけないんですが。テレビでやったらぜひ。

4月6日

Dawn of the Dead

これは最近の傑作。ものすごくよきできたホラー。後で調べたら、これは20年ほど前の映画のリメイクなんですね。作者はロメロというその前にNight of the living deadで有名になった人。これは確かに、傑作だったことは覚えています。いまでも最初のいきなりゾンビーが出てくるところとか、途中壁からゾンビーの手がニョキッと飛び出すところとか覚えています。それ以来ロメロさんはゾンビーで食ってるんですね。ヒラメキと十分な経験に基づいてつくられたこの映画、全編を通してムダもダレもなく観客をひぱっていくのはたしたものです。もちろん血だらけだけれど、一番こわかった殺し方はゾンビーによるものではなかったのは皮肉。ユーモアもたっぷりで、ショッピングモールに立てこもった人々の一人が隣のビルに取り残された男とボードと双眼鏡でチェスをするところなど笑わせられました。俳優はみな2流でとてもありきたりの顔をしていますが、だんだん個性がでてくるところもうまいですね。ダメ中年男が最後にはヒーローめいて見えるまでになります。中心の女優はUma Thurmanをちょっと安っぽくしたみたいですが、なかなかよろしい。画面で一番感心したのはカメラが屋上からだんだん上にあがっていき、ショッピングモールを取り巻くゾンビーの大群を写していく所。気の弱い人でなかったら絶対お勧め。

90点 − エンドクレジットの後日談は無かったほうが余韻が残ってよかったかも。

3月31日

Welcome to the Jungle

Mummy 2 で有名になりScorpion Kingに主演したプロレスラーThe Rock 主演のアクションもの。Mummyでは体より顔のほうが印象的でしたが、Scorpionではちゃんとりっぱな体もみせてくれました。今回は俳優業もちょっといたについてきて、よくしゃべります。せっかくアーニーの後釜をねらうんだから、アクションスターは寡黙でいかなければならない。それなのに、この映画の中のRock様はしゃべりすぎ。彼はもう一人アーニーの後継者を狙うVin Dieselよりはよろしい。理由はもちろん体もありますが、あのインパクトたっぷりの顔ですね。こんなに個性的で忘れられない顔も珍しい。まるでマンガ(というより劇画)の中からでてきたみたい。Vinのほうはもう少し小柄だし、顔もいまいち印象が薄い。それに「映画俳優」やりたいみたいだし。お話はやはりバカバカしく、たんにアクションのためのアクション映画にしかすぎない。

60点 − もう少し口を押さえて、カラダでいってください。Scorpionのほうがコウトウムケイ度が高く、好きでした。

3月29日

Under the Tuscan Sun

各新聞こぞって最低点をつけた映画。主演のダイアン レインもよく知らないのにこの映画を見た動機はトスカニーが舞台ということに尽きる。もちろん美しい風景もそこかしらにまじえて撮影はしていますが、やはり映画というのはその他、筋とかも重要と、あたりまえのことを思わせてくれました。筋(離婚したアメリカ中年女性がトスカニーで家を買う)があまりにありきたりで、登場人物もまじえてあらゆるものが生ぬるい。けしてわるいわけではないけれど、多分あっというまに忘れてしまうでしょう。主演のレインはジェニファーロペスを10年ぐらい年取らせて、小柄にしたかんじです。このひともけして不美人でもないけれど、どうして映画スターであるのかわからない。年をみるとJLとそんなに変わらないのに、なにかはつらつとしたところが感じられない。

50点 − どうせならもっとトスカニーの景色でも見せて欲しかった。イタリアのおばあさんがポーランドからの出稼ぎに文句いってるけど、これは間違い。ポーランド人はよく働く人たちですよ。

 

3月26日

Passion of the Christ

なんというか shocking、amazing、astounding、beautiful、と、なんか大時代なSF雑誌の名前みたい。もう日本語でなんと形容していいかわかりません。この映画はイエスの最後の12時間を描いたものです。Evening Standardは酷評していましたが、私ははっきり言って好きです。Standardはこの映画の本質がわかっていない。私の意見ではこの映画の本質はギブソンの良心だと思う。これほどまでにあからさまに聖書の一部(だけでしょうが)を描いた映画は始めてです。もちろん鞭打ちの場面はやりすぎとはいえ、この映画を作ってしまったギブソンの勇気はりっぱです。最近こんなに頭をガンと打たれるような衝撃的映画はありませんでした。予想していたし、映画の中での血みどろはいろいろ見ているにしても、こんなにも画面から「いたみ」を感じ、目をそむけたくなったのは珍しい事です。しかし残酷な部分だけを取り出して酷評するのは間違いです。途中で出て行ってしまった観客もいましたが、かれらは最後のあの清清しく美しい復活の画面をみることができなかったのです。キリストを正面から描いた映画にThe Last Temptation of the Christというのがありましたが、この中のキリスト役のウィレム デフォーはあまりにも個性が強すぎて、キリストというよりデフォーそのものでした。歯並びの悪さがものすごく記憶に残っています。今回のイエス役のジム カビーゼルはハンサムではあるけれど、ちょっと影の薄い俳優でしたが、この映画ではむしろそのアクの無いところがプラスになっていて、役にぴったり。他の俳優たちもみな真実味のあるうまい人たちばかりです。拷問の画面のところどころにイエスのそれまでの生活が挿入されますが、その中でも私が好きな部分は彼が本職(?)の大工としてテーブルを作っている画面です。私がキリスト教信者でなく聖書も大昔に読んだだけなので、よく知らないからでしょうが、たった一つの私の文句は、彼の「死」だけではなく、彼の「生」ももっと描いて欲しかった、ということだけです。ギブソンさん、Starwarsにならって、この映画を最終編として、次回はこの前編を作ってください。

90点 − 最後に復活するところで他の傷は皆治っているのに、手の穴だけ残っています。アクセサリーにとっておいたのかな。かなり効果的なのはたしかですが。

3月19日

Starsky & Hutch

時代設定が現代になおってるのかと思ったら、70年代の彼らが最初に出会ったときなんですね。それにしても主役2人が軽量級で退屈。ハギーベアも貫禄も面白みもなし。この人、服だけ凝ってる。

55点 ー 最後にオリジナルの スタハチがカメオで出てきますが、この二人のほうが上背もあり、中年でももよっぽどすてきです。とくにスタースキーは若い頃の彼はたいしたナンサムでもなかったけれど、今は魅力の中年男になりましたね。ニコルソンのSomething's gotta giveにも出てました。

3月18日

Finding Nemo

ピクサーの映画は2回目に見る時のほうがおもしろい。去年映画館でみたときはやはり筋を追う方に気がいってしまっていました。今回DVDでみると、絵の凝り様がもっとよくわかっておもしろい。映画館での時は前半の海の中がなにかプランクトンがういてるようでちょっとはっきりしなかったのですが(リアルにすることを考えすぎたのでしょう)今回は気になりませんでした。それともTVでみることを考えてあのモヤモヤを少し削ったか。

80点  − ちっちゃいタコがかわいい。カメの赤ちゃんは目だらけできもちわるい。

3月17日

Haunted Mansion (DVD)

60点 ー セットは凝ってよく出来てるのに話がつまらないなー。

3月15日

House of Sand and Fog

ジェニファー コノリーはたしかに美人だけど、この映画の中の彼女はあまりにもバカ。それも周囲に迷惑をかけるバカです。アカデミー女優助演賞候補になってイラン人女性(名前わすれた)はこれで候補になるのかね。そいうえばジェニファーは主演女優賞の候補でしたね。これも信じられない。

65点 − こういうバカにはならないように注意しましょう、という忠告の映画。

Seabiscuit (DVD )

これは公開時に見逃したもの。オスカーの候補に上がっていたのでDVD借りてみました。オスカーの宣伝力はすばらしいものですね。本当にあった話らいいですが、どれほど現実に近いかは私は知りません。一番いいところはやはり撮影。画面がとても美しい。スパイダーマンのトビー マクガイアがやけにやせ細ってでてきます。やせたり太ったり、俳優商売もたいへんですね。半分ぐらいでもうSeabiscuitは最高の競馬馬になってしまうので、その後どうなるかと思ったら、馬と騎手の根性ものにすりかわってしまいました。それからは予想通りでしたが、まあまあかな?わたしだったらROTRをさしおいてこれに撮影賞をやったかも。

80点 − 調教師としてクリス クーパーがでてきますが、このなかの彼は去年オスカーを取ったAdaptationよりずっと印象的です。結局のところ私はAdaptationはきらい、ということ。

3月11日

21gram

主な3人の俳優はとてもいいです。特にデルトロが元犯罪者、今は狂信的なカトリックを熱演していました。ナイオミ ワッツも前のNed Kellyよりよっぽどよく、見直しました。ショーンペンが心臓移植した数学者ですが、おもったより線の細い感じです。3つの話を平行に撮り、もちろんそれが最終的には一つになっていきます。筋も役者もいいのに、この監督はそれをズタズタにちょん切って前後脈絡なくつなげていきます。この結果を原因の前に置いてしまうのはメメント以来流行みたいですね。それにしてもやりすぎ。もう少しつつしめばもっと効果的になったでしょう。この方法を意外とうまく使っていたのは少し前にDVDでみた Identity というもうまったくのB級ホラーでした。この最初のほうの10分ぐらいはよくできていました。21gramにもどって、絵もところどころ色をくすませたり、あまりにこねくり回した感じですが、最近の映画としてはみごたえのあったものです。

80点

3月5日

Uptown Girl

なにか思いっきり軽いコメディーを見たくなってこれ。思ったとおり軽い。はずなのですが、最初の出だしがリズムがあわず、主人公が文無しになるまでが長すぎる感じです。そころクリアすると、その次は子役のダコタ ファニングが出てくる。この映画はこの子でもってるようなもんです。末恐ろしいもんですね。この子といい、Sixth Senseのヘイリー君といい、アメリカの子役は恐ろしい。完全に大人の役者をくってる。比べると主人公のブリタニーマーフィーが軽すぎる。いつも目のまわりを真っ黒にして、寝るときもこんなんかしら。ギャグも普通だし、ダコタを抜かせば本当に平均点弱しかあげられないけれど、10代の女の子には丁度いいかもしれない。子供と大人の友情というのにはヒューグラントのでたAbout a Boyがあったけれど、あれのほうがよくできてた。ボーイフレンド役のJesse Spencer よりマネージャー役のDonald Faisonのほうがすてきなのはこまるな。ダコタだけで55点。

3月4日

Infernal Affaires

香港のポリス者は今までジャッキーチャンばかり見ていたので、みんなコメディーっぽいのかと思っていたら、やけにくそまじめな警察トライアドものでした。二人の若者がそれぞれ警察とトライアドに潜入して、10年後にどうなるか、というお話。いくらなんでも潜伏10年はひどいんじゃないですか。とくに悪いやつらのところに潜伏させられていたほうが気の毒。もうかわいそうで見ていられなくなりました。こういう非情なお話はあまり好きではありません。よくできてるけど、彼だって親も兄弟もあるでしょうに。これじゃあんまりです。警察だって職業でしょうに。ちゃんと給料は2重にもらってたんでしょうね。と又よけいなことを考えてしまいました。ということで、映画の出来とはあまり関係ないのですが、65点。

2月29日

Along came Polly

全く期待はずれ。というか期待しないでいったら、そのとおりだった、というわけ。ジェニファーアニストンはいつ見てもフレンズのレイチェルとしか見えないし、それ以上のものは出来ない女優なのでしょうか。フレンズの大ファンの私としては声援のつもりで見てあげるのですが、前のBruce Almightyもこれもこれでは次を見る気がうせます。ベン ステイラーもあまりよくない。この役をアダム サンドラーがやったらどうなるか、とずっと頭の隅で想像してました。アダムのほうがどこか危なげなキレタところがありますね。でもこの映画の前に彼の50 First Datesのトレイラーをはじめて見ましたが、アダム君、やけに太めで、彼も結婚してからゆるくなったんでしょうか。鋭角でないアダムなんて、見る価値あるんでしょうか。Pollyに戻って、これではテレビで見る価値もあるのか疑問です。何億円もかけて、テレビの30分もの(つまりFriends)のほうがずっとおもしろいとは情けないです。20点。

2月28日

The Dolls (DVD)

75点

2月27日

The Missing

前作 Beautiful Mind でオスカーを取ったロン ハワード監督の新作です。これは最近珍しい本格的西部劇。主人公はケイト ブランシェットで、トミー リー ジョーズが長く音信不通だった父親役です。二人がインディアンに攫われた娘を取り戻すというのがお話。この類の話の傑作はジョンフォードのThe Searchersというのがありました。これはジョン ウェインのでた数知れずの映画のなかでも出色のものでした。これに比べるとこの映画はちょっと弱い。どうしてかというとやはり監督の出来が悪い。ハワードという人はものすごく解り易い映画を作る人で、前作では精神病まで解りやすく図解きしてくれたものでしたが、この解り易さが時として裏目でるのではないでしょうか。つまり全部説明しすぎるのです。この点では「タケシ」とは正反対の映画人です。悪役のインディアンが憎憎しく、醜く(うまい俳優です)描かれているので、正義の味方のインディアンも登場します。ハワード流ポリティカルコレクトのつもりでしょう。最初の方でケイトの恋人が悪いやつに煮殺されてしまうのはちょっとショッキング。話も最後のクライマックスといい、人物描写といい、とてもバランスよく出来ているのに、全体にどこか何かが足りない、と思わせるのはハワードの監督のせいに違いありません。それでも今年のオスカーの候補にもなったあの退屈なCold Mountainより私はこちらのほうが好きです。78点。

2月26日

Ghosts of the Abys

70点

2月24日

Cheaper by the Dozen

スティーブ マーチン主演のコメディーです。彼の映画をちゃんと映画館で見たのは初めてではないでしょうか。これは子供が12人もいる家族が、引越しと父親の転職を経験するお話。筋は最初から最後まで何の驚きも無く、想像したとおりに行ってしまいます。あまりに意外性ゼロなので、ほんの少しでもいいからハメをはずしてもらいたい、というのが私の意見です。いくらなんでもタイマイ払って脚本家に書いてもらうんだから、シロウトの観客が全部想像できてしまってはこまります。私の一つのオドロキは主演のマーティンの歳です。彼は私のしってるかぎりではいつも白髪のおじさんなので、もっとトシかとおもったら案外若いんですね。現在58歳。彼をはじめてみたのはRoxanneだったかな。もうずいぶん前のことで、このときも相当としをくったオジサンがロマンティックコメディーをやってるな、というのが感想でした。現在でも少し髪が薄くなった程度で、あまり変わっていません。万年オジサンというところ。妻になるBonnie Huntはまだ37歳にしては中年オバサンの感じです。時間があって、テレビでやったら見る程度でいいでしょう。60点。

2月23日

Sonatine

またまたビートタケシの監督主演映画。相変わらずうまいんだか、へたなんだかわからないような演技です。だいたい演技しているのでしょうか。いつもタケシの地で行っているのか、それともどの映画でもも「タケシ」を演じているのかどっちかでしょう。大体90%までいったいなにがいいたいのか解らないもの前に見たHanabiと同じです。しかしどうしてか退屈もせず全部見てしまいました。多分、次になにが起こるかまったく検討もつかないので、それに引きずられるということもあるのかも。最後になって、これは多分タケシ流の愛の物語なんだなー、と私はおもうのですが、どうでしょう。この個性は他に類の無いものでしょう。無理になにかに似ているとこじつけるのなら、ある種のフランス映画に似ている、と思うのです。こうして考えると、最新作のザトイチは型破りでした。どちらかといえばHanabiのほうができはいいかもしれません。記憶に残る映画とはいえます。点数は?

座頭市牢破り(VHS)

70点

2月12日

School of Rock

ロック歌手でもあるJack Blackの出るお子様ロック映画。前半は懐かしいロックのスタンダードナンバーがいろいろ出てきて楽しかったです。後半になるとこの映画のためのオリジナルが多くなって、ちょっと音楽を期待して見ているとガックリ。でもまあまあ楽しめたかな。75点

2月10日

Something's gotta give

Jack Nicholson 主演のまたまたコメディー。このひとはコメディーしかやらなくなってしまったのでしょうか。次にみたSchool of Rockがお子様向ならが、これは中年、老年向け。しかし中老年向けの映画が最近少ないので、たまにはこういう映画もなくては。Nicholsonも相手役のDiane Keatonもかなりお年にみえますが、ガンバッテルナーというのが正直な私の感想です。Keaton扮するエリカを恋する若い医者の役でキアヌーリーブスがでています。この映画での意外性は彼。この人、Matrixのほかではよかったおぼえがないのですが、この映画ではわりといいですね。それに主演二人に比べるとそうとう若く、見栄えもいいし。彼はたしかにハンサムですよ。最初のBill & Tedがオオバカ映画だったので、かわいそうにその後なにをやってもノータリンの印象が後をひいているようです。彼ももう39歳で、やっとTedから卒業したのでしょうか。果たしてKeatonはこれでオスカーが取れるでしょうか。主演女優賞の候補作はこれと Whale Rider しかみていないのですが、両方とも賞をあげるほどとは思えません。映画としてはかなり楽しめたので、80点。

Big Fish

75点

1月28日。

MJさんよりmailをいただきました。

先日のゴールデングローブ賞授賞式で
Lost in Translationをちらっと見たけど、
おっしゃる通りビル・マレーはあまり
中年のいかす俳優というイメージじゃないよね。
いくら日本でも、あれではCMには使わないよ。
やっぱりリチャード・ギアかなんかじゃないと。

ということでした。この映画がオスカーのいくつかの候補にあがっているのをみましたが、私は一つもとってほしくないですね。見た当時は題名の意味はアメリカ人が東京で言葉がわからないから、うろうろしている、という意味にとったのですが、今考えると、日本の本質というものが、Translationされず、なくなってしまった、という意味で取るようになりました。しかしやはりビル マレーでは昔はおおいに人気のあった、二枚目アクションスターは無理でしょう。リチャード ギアだとちょっと違うような気がします。彼は落ちぶれていず、今の中年のほうが昔よりすてきですから。私は国籍は違うけど、ロジャー ムーアとかを想像しました。

1月25日

Girl with a Pearl Earring

またまたスカーレット ヨハンセン主演の映画です。この映画の彼女は17歳という設定で、実際の歳(19)に近いためか、Lost in Translationよりずっといいですね。この映画は画面がとても美しく、まるでコリン ファース演じるところのVermeerの絵のようです。光と影の対象がとても美しく撮影されています。ところが話の筋はあまり面白くないのです。画家のところに来た小間使いを絵のモデルにすることにしたのですが、画家の妻が嫉妬して最後には追い出される、というおはなし。スカーレット扮するグリットという少女も最後のほうまで意思があるのかないのかわからないぐらい、オドオドしています。最後の3分の1ぐらいでやっと、かなりしっかりしたところがあるのがわかりますが、ちょっと事遅し、という感じです。

ところで私は原作を読んでいないのですが、友人がこれを読んでいて、いろいろ映画と違うところを教えてくれました。まず、彼女は14歳で小間使いに決まる前に画家と会い、色彩感覚が優れているのをみこまれたのです。映画ではもう住み込んでからそうとうして画家と会います。それに本では彼女の一人称で全体がすすんでいきます。つまり彼女の内面のほうを重視しているようです。

画家の家を出なければならなくなったのは、妻の嫉妬からのようですが、実際には彼は浮気したわけでもなく(精神的にはしていたかも)、妻は常に妊娠しているのだから、そんなにヒステリーになることはないのにね。Vermeerも妻と妻の母親に牛耳られて、グリットをモデルに描いた絵も隠しているしまつ。もうちょっとしっかりしてください。

背景とか小道具、衣装までとても神経の行き届いた映画なのに、筋がこれでは惜しい。17世紀のオランダ女性はあんな被り物をいつもしているんですね。寝るときまでしているのにはびっくりしました。この映画、いくつかオスカーの候補にあがっていますが、みな美術とか撮影なのでもわかるように、主に画面だけを中心にして見る分にはいい映画です。映画館で見たほうがいいけれど、ちょっと眠くなるかも。75点。



1月25日

Battle Royale  (DVD)


またまたタケシ出演です。この映画は当時、国会の先生がたが封切りを阻止しようとして、かえってそれが宣伝になり大当たりをした、とどこかで読みました。なるほど、一面では暴力だけを売り物にした映画かもしれません。しかし見てみると新聞などでよんだのとは大いに印象が違う映画です。ある意味、傑作とまでいえます。もちろん残虐な場面の連続ですが、あまりのことに、これはむしろコメディーではないか、と思ってしまいます。社会批判の映画ととるのもいいですが、むしろ喜劇でしょう。タケシは先生役ですが、最初のほうで生徒にこれからのことを説明する場面が秀逸。れいのタケシ流ブッキラボウとスゴミで、ところどころに入るビデオのお姉さんのあっけらかんとした明るさとの対比がみごとです。

このあとは生徒どうしの殺し合いです。よくできていますが、私だったら筋をほんの少し変えるでしょう。まず生徒の人数がおおすぎます。42人ではなく2,30人にしておくと、もう少し個人個人の性格の突っ込みができたでしょう。それぞれに渡された武器の使い道ももう少し丁寧に描いてほしかったところです。それと全体にちょっとウェット。最後にまたタケシ登場がありますが、ここももう少しカラッとさせてほしい。最近ハリウッドも映画のネタに困って外国の映画のリメイクが多くなってきています。しかしこれとか「オーディション」とかは、ちょっとリメイクも躊躇するかも。もっともタランティーノは多分この映画が好きで、いまから思うとKill Billにはこれからの影響もあると思います。それに生徒の一人がKill Billには高校生殺し屋としてうまく使われています。

いっしょに見ていた一人が日本のアニメファンで、途中クラシック音楽が流れたり、説明的に字幕が出てきたりするところはエヴァンゲリオンそっくりといっていました。ヴェルディのレクイエムから始まり、私がシューベルトの歌の中で一番美しいと思う歌が出てきたりします。この歌は題名が「水辺にて」とかいう意味で海の場面に効果的に使われていました。とにかく偏見なしで見てほしい一作。89点。

1月20日

HKさんより私の勘違いをいくつも指摘ていただきました。ありがとうございます。今後もmailお待ちしています。
点数の基準は50点がかろうじて「入場料かえせー」、の境目。それ以下は私がどのくらいはらがたったかによります。
75点以上だったら十分楽しんだと言えます。

1月17日

Paycheck

去年Deardevilでかなり良かったBell Affleck主演の映画です。彼、全く長い顔のひとですね。この映画は各新聞こぞって最低点をつけていたので、どんなにひどいものか興味があったのですが、みてみるとそんなにひどくはありません。もちろん新し味もないのですが、アクション娯楽映画としてはそれなりにうまくできています。特に途中のオートバイを使ったカーアクションなどよくできています。ただしこの映画は筋といいアクションといいどこかで見たなー、の連続です。最初のほうのコンピューターの画面はMinority Report,オートバイのところはMatrix,最後の悪党との対決は6th Day、とみんなオリジナルが見え透いてしまうのです。それとBenがとてもじゃないけど、天才には見えない。相手役のユマ サーマンも(本当はヘンな顔してるけれど)いつものように美人に見えません。そんなに最低ではなかったけれど、テレビでたくさん、というところ。60点かな?

Identity

よく出来てるけど、後になるほど話が強引、無茶になる。しかしそこに映画の意味があることがわかる。まあおもしろいけど、75点。

28days later

おもったより上出来。85点。 


1月12日

Lost in Translation

またまた日本が題材の映画。一週間に2つも日本を描いた映画が封切られるなんて、信じがたいですね。こちらは現在の日本を描いていますが、こちらのほうがハリウッド式からいうと、古臭いものです。つまり日本といえば英語の発音が悪い、人が多い、日本人の話し言葉は全部叫びである、背が低い、文化は低俗、と日本人からすれば大いに文句のある、アメリカの日本観の悪いところだけを選んで作ったみたいですね。まあ当たってないこともないので、腹を立ててもしかたがないのですが。それでは話の筋にはいいところがあるかといえば、これは今度は日本人の私から文句が言いたいぐらい、ひどい。中年の落ち目のハリウッドスターと若いアメリカ女性の関係。といっても最後まで二人は肉体関係にまではいきません。中年男がビル マレーで、いくら彼がいい俳優でも、かつてはアクションスターだったとは想像もつきません。これではサントリーの宣伝をしても売り上げが増えはずがありません。女のほうはスカーレット ヨハンセン(私は始めて見ました)で初々しいけれど、そんなに美人でもないし、光るところもあまりない。役の性格も、哲学を学んだというにしては、あまり頭もよさそうではない。これは新聞評ではかなりの点を取っていたので見たのですが、私にはさっぱり面白くありませんでした。ビル マレーがカラオケでMore than thisなんて下手に歌ってるところがちょっとおかしいだけ。シャブシャブでさえ後であのレストランは料理もしない、などと文句を言う。私だったら、脚本を読んだら頼まれても出たくない映画ですね。20点。この映画、日本で公開されるかどうか興味のあるところです。


1月11日

The Last Samurai

トム クルーズの新作。題材は19世紀の西郷隆盛の西南戦争(だったかしら?)です。クルーズというのは私には不思議な俳優です。けして大好きな俳優とも思わないのに、最近の彼の作品はなかなか好きです。Eyes Wide Shut、Minority Report、Vanilla Sky, Jerry Maguire、Magnolia とほとんどとてもよくできた映画です。しかしながら、これらの映画の中のクルーズは全部役の性格より、クルーズ自身の方がずっと記憶に残っています。それでもMission Impossibleの1と2だけは我慢できないんですが。

このLast Samurai もトム クルーズあっての映画でしょう。他の俳優ではこれだけの個性を持つ人は少ないです。他の俳優はほとんど日本人で、Ken Watanabeはじめとてもいいですね。最後のほうが少し前半のWatanabeの性格からいくと、腑に落ちないのですが、まあ許しましょう。侍の鎧もとてもきれいにできていますが、何か19世紀というより戦国時代みたいですね。 ハリウッドがこれだけ本格的に日本を舞台にした時代大作を作ったのは初めてではないでしょうか。しかし考えてみるとハリウッドでは前にも他の国での時代劇はよく作っているではないですか。最近ではグラディエイター、 Count of Monte Cristo (最高の駄作)なんかもアメリカ以外の国でのお話です。これらの国の人たちがこうしたハリウッド製の自分の国の映画を見て、どう思うのでしょう。興味がありますね。それとLast Samurai では全部英語でとおさないで、日本語を多用したのも好感が持てます。数年前のCaptain Corelli's Mandolinでは登場人物たちがギリシャ、アメリカ、ドイツと入り混じっているにもかかわらず英語だけでとおしてしまい、それぞれ怪しげなアクセントで話すので、もうガックリでした。

The Last Samurai はここ数ヶ月の映画では一番楽しみました。いろいろ欠点はあるにしても、かなりお勧めの映画。85点はあげましょう。

しかし滅びていく侍の世界を美化しすぎていて、それから後の日本の150年の歴史はその前の日本より数段劣っていると描かれると、ちょっと疑問もあります。まあハリウッド娯楽大作としてはよくできた映画です。元奥さんのキッドマンのCold Mountain よりはよっぽどましです。


1月5日
Stuck on you

Conjoined Twinのおはなし。いったい日本語ではこういうの、最近はなんというのでしょうか。つまりできる途中で離れ離れにならず、二人の体がくっついて生きている双子のことです。去年イランの姉妹が切り離す手術でなくなりましたね。本当はこういう人間の体の話はきらいなのですが、これはあまりいごこちの悪い映画ではありませんでした。むしろマット デイモン主演の映画ではできのいいほうです。もう一人になるのがグレッグキニアで、一卵性双子というにはあまりにていないのですが、しかたがないでしょう。とても明るく、愉快にできています。もちろん結末は予想どうりなのですが、途中シェールのテレビ番組にでたり、メリル ストリープのゲスト出演とかあって、楽しくできています。グレッグのガールフレンドになるエバ メンデスは最近ずいぶんうれていますね。どこがいいのか私にはわかりませんが。先週みた、2Fast 2Furious とOut of Timeにもでていました。娯楽映画としてはデキのいいほうです。75点。
この映画にはあまり上出来ではないけれど、オマケが2つも着いてました。

1月4日

American Splendor


一口でいうとヘンな映画。 Harvey Pekarという中年男のダサい生活。どういうわけかこの男、自分のごくつまらない生活をマンガにしてしまったところが、おおいに受けてしまい、一種のアンチヒーローになってしまった。しかしながら、映画にするとやはりさえない。いろいろ趣向がこっていて、とき時、 本物の Harveyと3番目の妻がインタビューにでてきます。でも映画なんだから、もう少し楽しいところ、とか現実離れしたところがあってもいいんじゃないかな。まあ、クロオト 好みかも。3番目の妻になるのが、Hope Davisでこの人は去年 About Schmidt でニコルソンの娘をやっていました。彼女は本当はかなり美人なんだと思うのですが、この二つの映画では努力してキタナクしてる感じがします。鼻の形がとても美しい人です。今度はもっときれいな役でみたいです。つまらないわけではないけれど、一度でいいです。60点。

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