06 - Porling



海亀の島から午前中にはサンダカンのホテルへ送り返されました。キナバタンガン河と海亀の島のとっても短い2泊の小旅行は、ホテルを通じて旅行会社の案内書を見て予約したものです。二人で合計200ポンド(4万4千円強)を支払いました。長期旅行者には大変いたい金額です。またマレーシア人にはあまり支払える金額では無い様に思われます。

午後のぽっかりと空いた時間をどうしようと考えた結果、先週閉まっていたインフォメーション・センターへ行って見ました。 広いオフィイスに中国系マレーシア人の大変陽気な中年女性がいました。思わず"貴女には先週お会いできてたら、どんなに助かったでしょう”と云ってしまいました。 そこでもらった案内書に由りますと第2次世界大戦で亡くなった2700人のオーストラリア兵がこの地に埋葬されていて、毎年オーストラリアから慰霊団がやってくるそうです。又日本兵のお墓と”からゆきさん” として亡くなった女性たちの墓地があるそうです。

サンダカンから南西に面し、世界でも有数のダイビングサイトで知られるシパダン島は、スノーケリングには適していないとの、われらがバイブルの記述で、あきらめて又コータ・キナバルへ戻ることにしました。アジア航空がサンダカン空港から運航していますが、今回はインフォメーションで薦められたポーリング温泉へ1−2泊のつもりで長距離バスに乗ることにしました。

キナバル山に着く手前で降ろされたバス停には、野菜、果物を売る露天が並んでいます。野菜はきれいに洗われ包装されてまるでスーパーマーケットで売っているほどきれいです。一房に20個ほど小さな実の着いているモンキーバナナは、15ペンス(33円ほど)皮が驚くほど薄く実が甘くて私の大好物です。英国ではこれだけおいしいバナナは絶対に手に入らないだろうと思います。 汚い、よくもこれで動く、と驚くようなミニバスの運転手がタクシーと称してポーリング温泉へ連れて行ってくれると云う。サンダカンのインフォメーションで紹介された小さなホテルに投宿し、2泊の予定と告げました。

  


ポーリングの温泉は日本軍が開発したそうで、サバー州の住民の格好のホリデー地になっています。宿泊設備も完備した大きな公園で、入場料を払ってつり橋を渡って、しばらく行くと子供たちが大騒ぎしているプールへ着きました。ここの住民は回教徒らしく、女性が一人もプールや、温泉に入っていません。 源泉は非常に熱く卵が茹で上がるであろうと思われます。日本ならすぐ温泉卵を売り出しているのに、と思いつつ山道を400メーター登った一番目の滝まで行って見ました。 ここでも水に戯れているのは子供たちだけ、大して見るものもなく、室内の個室になった温泉は一時間いくらと決まっていて、一日中楽しめるようでもありません。

 

  


樹上のつり橋を歩く設備がありましたが、血圧の高い人にはお勧めできないと断られ、蘭を集めた公園は今見せる花が全然咲いていないといわれてがっかり、ただひとつポールが大喜びしたのが、熱帯の鳥を囲っておく巨大な網の上に現れた一匹のオラン・ウータンです。公園の案内人がオラン・ウータンの大好物というジャックフルーツを渡したところ、網の上で食べ始め、それを狙って尾長ざるが数匹現れました。オラン・ウータンは尾長ざるの小猿には親切に餌を分け与え、大猿が近ずくとあの太い手でなぎ倒すように追い払ってしまいます。私たちは網の中からそれを見物していました。

ホテルはトイレとシャワーつきダブルベッドがひとつだけのまあまあの部屋で、二人で6.6ポンド(1500円弱)この2ヶ月の旅でこれほど安いところはありませんでした。が・・・・翌早朝、しっかりと閉まらない部屋の窓辺で雄鶏がけたたましく叫びます。朝の4時はないでしょう。すると又近くからまだ見習いと思われる雄鶏が”ケッコー"と返事をする、7時過ぎると雌鳥が卵を産んだよーと騒ぎたて・・・・・一晩で愛想をつかせてポーリング温泉に浸かりもしないで、コータ・キナバルへ帰りました。

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